元気!みんなのまち岩見沢 松野さとる

岩見沢の強みを生かす~農業とICT~

すっかり雪も解け、岩見沢にも春がやってきました。日に日に暖かさを増し、木や草花も芽吹き始めています。いよいよ、岩見沢の基幹産業である農業が本格的に動き始める時期を迎えました。

さて、新聞報道等でご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、かねてから建設中であった市の精米施設が完成し、平成26年5月から本格稼働しました。
この施設は年間6,000トン、既存施設の約2倍にあたる精米能力を有しています。
また、無洗米の生産設備も導入し、時代のニーズにも対応しました。

完成し5月から本格稼働している岩見沢市精米施設

完成し5月から本格稼働している岩見沢市精米施設です。

岩見沢市精米施設内の精米機

施設の心臓部ともいえる精米機です。

岩見沢市精米施設内の無洗米加工装置

無洗米加工装置です。タピオカで糠を除去します。

岩見沢市は、水稲作付面積、収穫量ともに全道一を誇る『米どころ』ですが、岩見沢産として販売されている、いわゆる地域ブランド米は、総出荷量(約30,000トン)の約1割ほどです (残り9割は玄米のまま出荷され、道産米その他として販売されています) 。

精米施設を建設した意味は、まさに岩見沢ブランド米の生産量増加にあります。これは農業者の所得向上(精米コスト削減を含む)につながり、また、流通量が増えることにより、必然的に地名の露出が増えますから、岩見沢のPRにも役立ちます。もちろん今後の営業努力が必須ですが、これによる波及効果はかなり大きなものになると考えます。少なくとも『岩見沢=米どころ』を認知させることはできるはずです。

また、岩見沢はICT先進都市として、能勢市長時代にインフラ整備を進めていました。これを農業に生かせないかと考え、市内2ヶ所にGPS補正局を設置し、高精度な測位情報の配信システムを構築しました。これは、分かりやすく言うと、農作業用のカーナビのようなものです。

トラクター等の農業機械の操縦には、相当の経験と熟練の技が必要なため、効率化やコスト削減だけでなく、後継者の育成をも困難にしています。

ここに測位情報配信システムを導入することで、作業が重複しないため、農薬や肥料等が無駄なく散布でき、作業時間も大幅に短縮され (0.5haの代掻き作業における効果検証では、走行距離と作業時間が約半分に短縮)、高精度な測位情報に則って作業を行うことにより、熟練者でなくても作業が簡単に行えるようになるほか、作業準備 (走行ラインの目印のポール立てや撤去) が必要なくなるので、人手を他の作業にまわしたり人件費の削減にもなります。

さらに、市内13ヶ所に気象観測装置を設置し、より精度の高い気象情報を提供すべく、独自の農業気象システムも併せて構築しました。岩見沢市内でも地域によって天候が異なる場合があり、急激な気象の変化もあるため、一般的な天気予報だけでは最適な農薬散布や刈取時期を見極めるのは困難ですが、独自の農業気象システムを用いることで、収集された気象観測データに基づき、生育予測や各種病害虫の発生予測情報等を配信し、作業の効率化と最適化を促すことが可能になります。

測位情報と気象情報を連動させた農業支援システムは、農作業の効率化とコスト削減が実現できるのはもちろん、全国的に課題となっている農業従事者の高齢化や後継者不足の解消、あるいは新規就農の促進にもつながると考えます。

また、このシステムは日本初の取り組みで、現在、全国各地から大きな注目を集めています。今後は岩見沢市内だけにとどまることなく、全道、さらには全国への普及展開を目指していきます。新しい農業の在り方を全国に広めることができれば、岩見沢が日本の農業をリードする中心都市として名を馳せる日も、そう遠くないかも知れません。

投稿:2014年5月19日