元気!みんなのまち岩見沢 松野さとる

農業革新をリードする ~スマート農業~

全国的に局地的な大雨や記録的な暑さが続くなど、今年の夏は異常気象と呼べる状況になっています。現在のところ、岩見沢市では大きな問題は発生していませんが、気象情報や災害情報を日々ご確認いただきながら、今一度、災害への備え(緊急避難場所・避難所の確認や防災装備の点検等)や正しい熱中症対策の確認をお願いいたします。

さて、今回は、公益財団法人全国市長会館発行の「市政」5月号の特集「ICTと地域づくり」において、岩見沢市におけるICT(情報通信技術)の活用について寄稿させていただきましたので、その内容をダイジェストでご紹介したいと思います。

「スマート農業の社会実装による地方創生」

【施策推進の背景】

  • ・岩見沢市は面積の約42%を農地が占める、国内有数の食糧供給基地である
  • ・一方で農業を取り巻く環境の変化や人口減少等により経済活動が鈍化し、「人口減少対策」や「経済活性化対策」が喫緊の課題となっている

【ICT施策の推進】

  • ・「自治体ネットワークセンター」や「テレワークセンター」、「新産業支援センター」等のICTビジネス関連施設の開設
  • ・市独自の自営光ファイバー網(総延長196km)や「環境配慮型クラウドデータセンター」等のICT基盤の整備
  • ・「ICタグ活用型自動見守りシステム」等、学校教育や医療の分野でのICT利活用

【農業が抱える課題】

  • ・ここ10年ほどで総農家戸数と農業就業人口が半減している
  • ・農業就業人口に占める65歳以上の割合が増加し、1戸当たりの耕地面積も大幅な拡大傾向にある
    →農作業の効率化、新規就農者や後継者育成が急務である
  • ・これらの課題解決に向けて、スマート農業の実装や「農と食の地域ブランド」確立への取り組みを推進している

【ICTによる地方創生に向けた具体的な取り組み】

  • ・市内13ヵ所に独自の気象観測装置を整備し、営農支援情報の有償提供を行う「農業気象サービス」を構築
    →投薬希釈率の最適化等により資材購入費が約30%削減されたなど、具体的な成果が確認されている
  • ・GPS基地局を市内3ヵ所に整備し、トラクターなどの農作業機械に設置したGPSガイダンスに誤差3~5㎝程の高精度な測位情報を配信するシステムを構築
    →作業の効率化や正確性が確保され、最大で50%の作業時間短縮、コスト削減効果が確認されている
  • ・北海道大学農学部や関連企業等と連携し、トラクターの有人と無人の協調作業や完全自動走行実現に向けた検証をはじめ、新規就農者の育成支援や効率的スケジュール管理など、さらなる開発・検証を行っている
  • ・スマート農業に関する技術を除排雪作業にも応用し、特別豪雪地帯である岩見沢市の課題克服に向けた利活用の実証にも取り組んでいる
  • ・これらの取り組みに対して総務省より「ICT地域活性化大賞2016奨励賞」をいただいた

【今後の展開】

  • ・さらなる技術の導入や普及を目指す
    →作業省力化に向けて作業機械の自動化やロボット技術
    →ドローン等の活用によるデータの効率的収集やAI等を用いた作業意思決定支援に関する技術
    →農業生産物のブランド化に向けて高精度で安定した成分計測に関する技術
  • ・「農」「食」「健康」の連動による地方創生を目指す取り組みを開始
    →産学官民連携による「農・食を軸とする新たな産業創出」に関する施策を実践しながら地方創生を具現化していきたい

スマート農業につきましては、以前、ホームページ上でもご紹介していますので、そちらも併せてご覧ください。岩見沢の強みを生かす~農業とICT~

また、先日、内閣府の宇宙開発戦略推進事務局とともに、タイからの訪問団ご一行がスマート農業の視察にいらっしゃいました。市の担当者と北海道大学の野口伸教授による説明をお聞きいただき、実際の運用状況もご覧いただきました。岩見沢市の取り組みは、国内外から注目を集めています。

視察

さらに、準天頂衛星利用の高精度測位技術と、人検出技術を利用した安全で高能率の「マルチロボットトラクタシステム」、次世代農林水産業創造技術で取り組む、多収と高品質を実現するための気象変動に対応した「最適栽培管理システム」の導入に向け、関係各所と連携しながら早期実現を目指して取り組んでいるところです。近々、良い報告ができるのではないかと思います。

人口の大都市一極集中や少子高齢化等の影響で、岩見沢市をはじめとする地方都市は、様々な面において大変厳しい状況を強いられています。しかし、そのような状況だからこそ、強みを活かし、育て、そこからさらなる強みを創出することが、地方都市の命運を握る大きな「鍵」になると考えます。今後も市民の皆様の安全・安心を担保しつつ、「農」「食」「健康」を岩見沢市の「鍵」と位置付け、まちの基盤をしっかりと固めていきますので、引き続き市政へのご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

投稿:2017年7月21日

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